株主優待株はなぜ投資初心者向きなのか?
皆さんは投資についてどんなイメージを持っているでしょうか?
投資文化の根付いていない日本では、恐らく「大金を失う怖いもの」「ギャンブル性の高いもの」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
預金・貯金が一番堅実なんていまだに思っている人が多いですよね。
預金・貯金をするのが正義という考え方は、戦争中にお金の欲しい日本政府が作り上げたイメージです。
実際、「国民貯蓄組合法」を昭和16年に作り、国民に郵便貯金を強制しているのです。
そんな作り上げられたイメージに忠実に従い、我々日本人は「浪費は悪。貯金こそ美徳」と信じて貯金してきました。
「欲しがりません、勝つまでは」なんて戦争中の標語は有名ですよね。
その時は確かに日本が勝つために(実際は太平洋戦争で負けてしまいましたが)、国民の貯金が必要だったかもしれません。
ただ、現在はどうでしょう?
国は貯金を必要としていないのに、日本ではお金あまりの状態が続いています。
すでに戦争が終わったというのに、今の日本人は未だにお金を使うことは悪いこと、貯金をするのが正しい選択と思いこんでいるわけです。
そのせいで、経済の血液と言われるお金がタンス預金として使われることなく留まっているというのが日本の現状です。
その一方、お金の本質を理解する人たちは、貯金に好意的ではありません。
上2つのリンクはZOZOTOWN社長の前澤さんとホリエモンの考え方ですね。
彼らは「お金を貯めるよりも大事な人に使って人からの信用をためたり、経験や遊びといった自己投資に使え」と言っています。
そういった事ができると、どんどんお金に困らないようになるというのですね。
こちらのお二方の言っていることは私も少し一般人にはハードルが高いと思います(笑)
例えば、「ドローンで遊んでいた人は今後の物流の世界でドローンを使いこなし、それをビジネスにすることができるかもしれない」とホリエモンは言います。
言いたいことは分かるのですが、経験や遊びをお金に変えるというマネタイズが、普段そういった訓練をしていない一般人には難しいんですよね。
また一番下のリンクは、筑波大学教授であり、実業家の落合陽一さんの言葉です。
私のおすすめはこちらの話でして要約すると、「現金というものはお金を生まない。現金はお金を生むような資産に変えるべき」ということを言っています。
これなら我々一般人の脳みそでも納得できるのではないでしょうか?(笑)
現在の金利の低さでは、銀行に百万円を預けても百万円のままです。それならば、現金を生む株やマンションといったものに投資をしろというのはうなずけますよね?
世界的名著、「金持ち父さん」のお金に働いてもらうという考え方です。
こういった話を聞いて、「ちょっと投資を始めてみようかな?」なんて人におすすめの投資があります。
それは株主優待株に長期株式投資をするということです。
なぜ紹介しているのかというと、やはりそれだけ株主優待というものはお得だからです。
そして、何より投資初心者に優しい株だとも思っています。
さらに言えば、これはほんと個人的な願いなのですが、株主優待をきっかけに日本人の多くが投資に興味を持っていただけたらなぁと思っています。
この記事では、なぜ株主優待株(以下、優待株)が初心者向きなのか説明します。
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株主優待株が投資初心者に向いている理由
今更感がありますが、株主優待はご存知でしょうか?
株主優待のある企業の株を決められた権利確定日(正確には権利付き最終日)に保有しておけば、様々な商品を受け取ることができるのです。
業務スーパー商品券
寿スピリッツ商品
個人投資家が企業の株を購入すると、年に1回(2回の企業もあります)こういった商品がもらえちゃうんですよね。
株を保有していると株主優待の他にも、配当金などもあるので、とてもお得です。
もちろん、投資というくらいなのでリスクも存在します。
このリスクが投資未経験者にはとても怖いものに思うはずです。
実際にやってみるとそんな怖いものではないんですけどね笑
今回は株主優待株についての話なのですが、株主優待株の購入は投資の基本を学べますし、リスクも少ないのでとっても投資初心者に向いている投資ということができます。
具体的にどのように初心者向きなのか、以下に示していきましょう(^^)
理由1:株投資の基本である長期投資をすることになる
株主優待を目的に株式投資をすると、図らずとも一番リスクが少ない投資方法を選択することとなります。
それは長期株式投資です。
長期株式投資は投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェットが数兆円というお金を稼いだ投資手法です。
彼は長期投資によって莫大なる資産を手に入れたのです。
もちろん、破産なんて一度も有りません。
かつて金持ちであったと呼ばれる投資家は、何度か破産を経験している人も多いです。
ジェシー・リバモアやウィリアム・ギャンという投資家は短期投資で金持ちにもなっていますが、何度も文無しにもなっています(笑)
短期投資は一瞬で莫大な資産を手にする可能性がある一方、一瞬で失う可能性も同等の確率であります。
私の仕事の後輩も短期投資家だったのですが、コツコツと数年かけて短期投資で1000万円貯めたそうです。
そこまで聞くと「短期投資すげー」ってなりますが、バイトに行っている4時間の間に800万円がなくなったそうです。
破産こそしなかったものの、こんなリスクが常に存在するのが短期投資です。
あなたがサラリーマンの場合、サラリーマンとしての本業が手につかなくなってしまいます。
一方、長期株式投資は比較的リスクが少なく、且つ儲けることのできる投資方法なのです。
別に長期株式投資というのは難しい話ではありません。株を一度手に入れたらずっと塩漬けでホールド(売却せずに保有)しておけばいいのです。
株を一度購入したら特に株価などをあまり気にする必要はない(始めのうちは気になってしまうかもしれませんが)ので、働くなりしましょう。
これが本来あるべき株式投資の姿です。これがウォーレン・バフェットがとんでもない資産を築いた投資手法です。
一度株を購入したら、値上がりするのをじっくり待ってお金に働いてもらうのです。
「なんだ、放置すればいいなんて簡単じゃん」と思う方も多いかもしれませんが、実際はそう簡単なものではありません。
簡単だったら誰でもお金持ちになっています。
長期株式投資は何もしてはいけないという難しさがあるのです。
株価が上がったら「下がるかもしれないからそろそろ売った方がいいのではないか」なんて思いますし、株価が下がったら「これ以上下がる前に売った方がいいんじゃないか」と思います。
株式投資には何かをしたくなってしまう怖さがあります。
この誘惑に耐えなくては長期株式投資は成功しないのです。
行動経済学でノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンが行った実験では、人間は得をしたときの喜びよりも損をしたときの心の痛みの方が大きいということが示されています。
株ではどうしても損をしないようにという意識が働いてしまい、結局売買回数が増えてしまいます。
売買回数を少なくすれば高いパフォーマンスをあげることができるというランダムウォーク理論というのもあるくらいなので、やはり売買回数の少ない長期投資の方がメリットが多いのは間違いがないのです。
(関連記事:ランダムウォーク理論を知れば投資信託のバカらしさが見えてくる)
株主優待を目的に投資をするということは、必然的に長期投資をすることとなります。
なぜなら、株主優待を貰い続けるには株を持ち続ける(長期投資をする)必要があるのですから。
(株主優待を貰うことだけを目的としたクロス取引といったやり方もありますが、今回はクロス取引の話はしません)
特に意識もしていないのに、儲かる投資方法をしているなんてなんか得した気分になりませんか?笑
株主優待制度というものが個人の投資家に長く株を保有してもらうことを目的とした日本固有の制度です。
海外では株主優待制度などというものはありません。
素晴らしい制度だと思うので、是非長期投資して株主優待制度を利用してやりましょう笑
理由2:勝手に分散投資をすることになる
株式投資というものは、リスクを回避する為に分散投資をする必要があります。
一つの株を集中的に持つ(集中投資をする)のではなく色々な株を持つ(分散投資をする)ことで、会社が倒産するリスクに備えることができます。
分散投資はよく卵の運搬に例えられます。
あなたはダチョウの卵1個と、ダチョウの卵1個と同じ金額の鶏の卵20個を車で運搬しています。しかし、その時に凹凸がある地面に車を乗り上げてしまいました。
さて卵はどうなったでしょう?
もし車を乗り上げた衝撃で、ダチョウの卵が割れてしまったとしたらダチョウの卵の価値は0になってしまいます。つまりダチョウの卵の運搬はリスクが高く、その価値は0か100かの2択です。
一方、鶏の卵はそうではありません。確かにいくつか割れてしまっているかもしれませんが、全て割れているとは考えづらいでしょう。
仮に2つ割れていたとしたら、価値は100から90へ落ちてしまいますが、20個の卵すべてが割れて0になってしまうという最悪の状況はそうそうないでしょう。これはリスクを分散させているおかげです。
つまりダチョウの卵よりも価値を分散させている鶏の卵の方がリスクが少ないのです。
これは投資にも当てはめることができ、一つの株を購入するのではなく、色々な株を購入した方がリスクが少ないのです。
理由1では、株主優待目的で投資をすると、必然的に長期株式投資をすることになると説明しました。
それとまた同様に、株主優待目的で投資をすると、図らずとも分散投資をすることになります。
なぜならば、株主優待は分散させた方がお得になる場合がほとんどだからです。
例えば、ANAの株主優待を見てみましょう。
(関連記事:お盆や年末年始は株主優待券で航空券予約するのが安全で安い!)
ANAでは1000~4000株の購入では1000株ごとに1枚の株主優待券が貰えますが、4000株以降は2000株ごとに1枚の株主優待券を貰うことになっています。
つまり、購入株数が多くなってしまうとお得度が下がってしまうのです。
そして、ほとんどの会社の株がそのように購入株数が増えるとお得度が下がるように株主優待の制度を設定しています。
このサイトでは株主優待ももらえて株価の上昇も狙える株主優待銘柄をいくつか紹介していますが、それらの株も購入株数が低い方がお得となっている場合がほとんどです。
(関連記事:株主優待・お金お得情報)
つまりたくさんの株主優待を貰って得をしようと考えたら、一つの株をたくさん持つのではなく、色々な株をたくさん持つ方がお得ということになります。
ほら、勝手に分散投資をすることになったでしょう?笑
理由3:優待株は株価の上下が少ない
株主優待株というものは、優待のない株と比較すると株価の上下が少ない場合が多いです。
例えばですが、お得な株主優待として人気の高いイオンやマクドナルドの株主優待があるのですが、これらの株はかなり株価の変動が小さいです。
(詳しくはイオン(AEON)の割引率の高さはかなり異常!?損しないためには?やマクドナルドのお得な利用術を参照下さい)
なぜ変動が小さいのかというと、株主優待銘柄を保有している人には個人投資家が多く、頻繁な売買が行われないからです。
株売買のプロである機関投資家の介入が少ないと言い換えることもできます。
機関投資家は、株を大量に保有し、その株を売買することにより株価をコントロールします。
例えばですが、大量に保有している株を売って株価をある程度下げることで他の人の不安を誘い売りを加速させます。売られる株の数が多いということは、株の価値は下がり株価が下落します。
そして、十分に下がったところで買い戻すという仕掛けをしてきます。
そうやって機関投資家は稼ぐので、機関投資家によって大量に株が保有されている場合、株価の上下が大きいことがあります。
一方、株主優待株は機関投資家によるコントロールが効きづらいのです。
理由としては、株を所持しているのがほとんど個人の長期投資家であることと、その一般投資家が株価をあまり気にしていないことが挙げられます。
株価をコントロールするには、大量の株を保有する必要があるのですが、優待株は一般投資家がほとんどを所持する為、機関投資家は大量に保有することが実質できません。
有名な話では、ケチャップで有名なカゴメは99%を個人投資家が所持しています。
それでは、コントロールなんてできません。
また、ある程度の割合で優待株を所持しており、大量に売ることで株価を下げたとしても株主優待狙いの個人投資家はあまり株価を気にしていないので、不安になって株を売るということをあまりしません。
それどころか、株価が下がるのを待っていた株主優待狙いの個人投資家が株を買ってしまうのでタダの売り損になる可能性があります。
株を売る人が少ないということは、株の価値が下がりづらくなります。
このように、株価をコントロールしたい機関投資家からみると株主優待株というのは少し厄介なので手を出したくないのです。
結果、株主優待株は株価が上下しづらく安心して投資しやすい株となっています。
理由4:株主優待を通して政治経済が学べる
私は日本人がそんなに貯蓄をせずに、もっと個人投資家が増えてくれればいいなぁと思っています。
そうすればお給料以外の収入が増えてお金を使うようになり、日本の経済が潤滑に動くようになります。
最初の目的は株主優待だったとしても、実際に投資を経験すると、配当金が貰えたり、株を売却した時に利益が発生するということに気付きます。
すると「なぜ株を持っていると配当金が生まれたりするのか?」や「配当金をさらに貰うにはどういう企業に投資するといいのか?」ということが気になってきます。
そうやってくると、自然と株式会社の仕組みや社会の仕組み、政治経済といったものを調べるようになってきます。
(関連記事:【長期投資メリットまとめ】私が株式投資をして良かったと思う8つのこと)
最初の目的は株主優待だったかもしれませんが、こういった知識まで得られるというのは素晴らしいと思いませんか?
そうやってもっと投資に興味を持ってくれたら良いなぁと思っています。
もちろん株主優待目的ではなく、本格的に投資を始めようと思ったら生半可な知識で始めないでください!
投資を始めて欲しいといっておきながら矛盾するかもしれませんが、投資はなめると恐ろしいものです。
慣れると常にリスクと隣り合わせであることを忘れてしまい、思わぬ損害を被ることになります。
しっかり学びながら投資をするようにしましょう。
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